何度となく繰り返し読まれたのか、どこかで読まれる日を待ち続けていたのか。
至る所がボロボロだったり、白かったであろうページが茶色く変色した洋書。
読むためのものではなく、飾るものとして販売されているのを見つけました。
私自身を含め、英字を格好良いと感じる日本人のために、この本は本来の役割を果たせなくなっても捨てられることなく海を渡って来たのかと、恥ずかしくも面白く感じました。敬意を込めてガラスでその存在を包み込みました。
大きな器の中に小さな器を浮かべました。
その場の空気の動きで、小さな器が漂います。
ガラスと鏡の中を羊たちが行進しています。
雨が降り、地面にだんだんと水が溜まっていくのを眺めながら考えたかたちをガラスで彫刻しました。
『ジャリおじさん』(作・絵:おおたけしんろう/出版社:福音館書店)という絵本があります。
この絵本が好きです。
ジャリおじさんが住む家に置いてほしいという想像から生まれました。